幾何学な暮らしとコツコツ投資の手帖

40代で転職するも、収入激減。諦めずiDeCo、NISAでインデックス投資でコツコツつみたて。地道系ブログです。

えっ!配当金は所得税と住民税、異なる課税方法で申告出来る? ならばと、良いとこどりの申告方法を考えてみた。


唐突ですが、配当金の申告は「所得税」と「住民税」、
別々の課税方法を選べるって知ってましたか?

私は最近まで知りませんでした(-_-;)

そもそも上場株式等の配当は、
受取り時に20.315%(所得税20.315%、住民税5%)源泉徴収されていて、(知らない間に)ちゃんと税金を納めています。

なので申告する必要はないのだけれど、
譲渡損失がある人なんかは、確定申告すれば損益通算できるので、源泉徴収されていた税金を取り戻せるっ(*'▽')

だけど場合によっては、申告することで所得金額が増えて、国民健康保険料が上がったり、保育料に影響が出るなんてこともあったりします。
そうすると、税金の還付額以上にマイナスになりかねないので注意が必要!

って思ってたんです…。

しかーし、所得税と住民税
それぞれ違う課税方法で申告できるなら、

「税金は取り戻す」
「国民健康保険料も上げない」

なんて、良いとこどりが可能になる場合も!


配当金の申告は、その他の所得金額や所得控除なども考えて
課税方法を選択しないと、損得が分かれてしまう。

判断が非常に難しい~(>_<)


「今年は配当収入があったぞ」という方、
所得税と住民税の申告方法をぜひ、ぜひ確認してみましょう。

もしかしたら、お得になるかもですっ!

上場株式等の配当。申告方法は3つ

 

ややこしいのは、これ。
選択肢がが3つもある(*´Д`)

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1.総合課税 

給与や事業所得などその他総合課税所得と合計して税金を計算。
「配当控除」で、所得税10%・住民税2.8%が戻ってくる(*'▽')
(課税総所得金額が1000万円以上の場合は所得税5%・住民税1.4%)

でも株式等の譲渡損があっても、損益通算はできない。


2.申告分離課税 

上場株式等の譲渡損失があれば、損益通算できる(*'▽')

でも「配当控除」は受けられない。

3.申告不要制度

申告しない!受取時の源泉徴収で終了。
楽チン。
だけど当然、戻ってくる税金があっても取り戻せない(>_<)

 

1・2の申告する(総合課税・申告分離課税)を選択した場合

合計所得金額に算入される(>_<)
扶養控除・配偶者控除や各種給付金が受けられなくなったり、
国民健康保険が上がったりする場合もあるので注意が必要。

 

所得税の場合
「課税所得金額が900万円以下なら総合課税が有利」の説を検証


所得税の税率は、所得が増えると税率も上がる累進税率。
課税所得金額に応じて5%~45%の税率がかかります。

総合課税で受けられる、配当控除の10%を考慮しても、
税率が高いと逆に損してしまうことに(>_<)


選択の目安としては、
「配当所得を含めて、課税総所得金額が900万円以下」なら、
総合課税が有利とよく言われています。


本当かな?

国税庁のサイトで、「配当所得について総合課税または申告分離課税を選択した場合の具体的な計算例」が紹介されていました。

【確定申告書等作成コーナー】-配当所得について総合課税または申告分離課税を選択した場合の具体的な計算例


なるほど。
総合課税と申告分離課税、どちらを選ぶかで税額にかなり差があることがわかります。


しかし、私が一番知りたい「配当所得を含めて、課税総所得金額が900万円以下」の例がなかったので、同じように計算してみました。

※課税所得金額が695万円超~900万円以下は所得税率23%

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と検証してみた結果、
申告分離課税よりも総合課税を選択した方が、
若干ではありますが有利でした!


課税所得金額が900万円以下なら、やはり総合課税を選択するのが良さそうです。


上場株式等の譲渡損失がある人は申告分離課税で損益通算を。
でも、注意が必要!

今年の私がまさにそう。
前年からの繰越譲渡損失があるので、申告分離課税で申告します。

 

www.geometric-techou.com

 

だけどここで要注意しなければならないのが、

上場株式等の譲渡益・配当金額が、
上場株式等の(繰越)譲渡損失の額より大きい場合、

損失と相殺しきれなかった譲渡益・配当金額は所得金額に算入されてしまいます!


また、総合課税と申告分離課税どちらも、
申告した配当所得は合計所得金額に算入されてしまうので、扶養や配偶者控除を受けている人は、控除が受けられなくなることも(>_<)


配当金を申告することで還付される金額が少ない時は、
申告しない方が良い場合もあるってことですね。

 

 

住民税は原則、申告不要が有利!


住民税で上場株式等の配当所得を総合所得を選択して申告すると、
一律10%の税率がかかります。

配当控除を考慮しても特別徴収の5%以上になってしまうので、
申告不要を選択する方が有利ですね。

譲渡損失がある場合は、申告を選択するとどんな影響があるのか、
福岡市のホームページに分かりやすい説明が載っています。

福岡市 前年に株式の譲渡損失があったため確定申告をしており、今年は株式の譲渡所得が出たので、繰越控除の適用を受けようと思うのですが?市県民税などに影響はありますか?


総合課税・申告分離課税を選択すると、
所得税同様に合計所得金額に算入されてしまいます。

扶養控除が受けられなくるだけではなく、
健康保険料等が上がるなど、税金以外にも影響が大きいこともある。

判断をまちがえると大きなダメージを受けることにもなりかねませんね(-_-;)

長々と書いてしまいましたが、
上場株式等の配当を、所得税で申告を選択した時は、
住民税では申告不要制度を利用した方が有利なことが多いようです。

とはいえ、さまざまな条件を考える必要がある事もわかりました。
自分の場合はどうなのか、しっかりシミュレーションしてみましょう!

最重要事項!住民税の申告不要制度は申告期限あり


所得税で申告を選択し、住民税で申告不要とする場合、期限があります。

大阪市ホームページより

所得税等の確定申告書において上場株式等の配当所得等を、総合課税または申告分離課税として申告された場合は、個人市・府民税も同様にその課税方法が適用されます。ただし、納税通知書が送達される日までに、確定申告書とは別に、市民税・府民税申告書をご提出いただくことにより、所得税等と異なる課税方法(申告不要制度、総合課税、申告分離課税)を選択することができます。(例:所得税等は総合課税、個人市・府民税は申告不要制度)

 

「住民税の納税通知書が送られてくる日まで」ということは、

遅くとも5月中旬頃までには、申告書の提出をしておいた方が良さそうですね。

 

 この住民税の申告不要制度は、以前からあったそうなんですが、
明確化されたのは、平成29年度の税制改正でした。

「まだあまり知られてないので、損している方も多い」と、
役所に勤められている方がおっしゃていました。

また、市町村によって対応がまちまちとも聞きました。
利用される方は、ご自身が住んでいる自治体のホームページなどで事前に確認して、記載されていなければ一度問合わせた方が良いかもしれません。


知ってると知らないでは、大きな差がでてくる制度です。
今後、上手に利用していきたいと思いますっ ( `ー´)ノ